マルチーズの英語教師

マルタ留学記事、その3です。自分の英語学習について振り返りたく、ブログを書き始めましたが、なかなか辿り着かない。今回は、先生について。

二人の先生に、「どうして英語教師になろうと思ったんですか」って初日に聞いてみました。

まず、グループレッスンの先生、A先生について。60代、英語教師になる前は、銀行員だったそうです。銀行員として、トロントにも駐在していたそう。銀行を定年退職して、たまたま英語講師になるための講座を受講(養成講座のようなもの?)したとのこと。リタイアした後も、ビジネスでの自分の経験を活かせるということで、現在は、ビジネス英語のクラスのみを担当しているそうです。

授業はテキスト中心でした。ちなみに使用テキストは、Macmillanの"In Company 2.0 Upper Intermediate"(CEFR B2-C1) 第2版を使っていましたが、現在は、第3版が出ている模様です。

授業の進め方は、テキストを頭から読んで、ディスカッションして、リスニング問題聴いて、問題解いて・・・という、ある意味慣れ親しんだスタイル。教師の主な役割は、正誤を答えること、わからない単語の意味を英語で説明すること、と考えているようでした。4技能の大切さをよく説いていました。

A先生に対する1週間目の私の印象は、「経験豊富な語学教師というよりも、ビジネスマンだなぁ」でした。大きな不満はなかったものの、「この先生に習ったら、魔法のように英語が上達する!」という感じではありませんでした。

が、ですね、2週間目に「ビジネスマン」という印象が変わりました。授業の中で、宗教の話になったときに、「私はカトリック教徒ではないのですが…」と言ったところ、A先生、「何の宗教を信仰しているかというのは、関係ないですよ。大事なのは、良い人間でいること」と。

それから、最終日のことです。「アミコのために、読み物を用意してきました」と。それは、"Women breaking the glass ceiling"という新聞記事でした。女性を応援する内容が書かれていて、あぁ、日本で働き続けるのが簡単ではない、って私が言ったことを覚えていて、励ます記事を探してきてくれたんだ、と胸がじーんとしました。クラスメートのC君もにこにこしながら、一緒に記事を読んでくれました。

A先生は、語学教師としては、私の英語力を飛躍的にあげてくれる魔法使いではなかったかもしれないけれども、陳腐な言い方になってしまうけれども、「人間味溢れる温かいおじちゃん先生」でした。

そして、プライベートレッスンのB先生。こちらはA先生とは対象的にベテラン教師の風格がありました。40代、英語教師は18年続けているそう。人に何かを教えるのが好きで、教師になりたかった、だけど、やる気がない中学生、高校生に教えるのは嫌だったので、英語教師になった、と言っていました。IELTSやTOEFL対策のクラスもよく担当しているみたいで、きれいなQueen's English(B先生は"BCC English"と言っていた)でした。

プライベートレッスンでは、私の苦手なWritingを中心に教えてもらったのですが、説明はいつも明確でとても分かりやすかったです。試験対策に慣れているようで、この先生と一緒にあと数か月勉強したら、TOEFLの点数も飛躍的に伸びるんだろうなぁと思いました。

が、A先生と違って、B先生は、決して冷たいという意味ではないのですが、「授業中は、英語を教えることに徹している」という印象。

英語力をあげるうえでは、B先生の方が良いのでしょうが、数年後も思い出すのは、きっとA先生だろうなぁと思います。だらかといって、どちらの先生が良かった?と聞かれると、タイプが全く異なるので、「みんな違ってみんないい」です。

いやぁ、教師って面白いですね。自分はどんな語学教師になりたいんだろう、語学教師の役割って何なんだろうって改めて考えさせられました。

B先生が連れて行ってくれた漁村


コメント